法人(中小企業)の決算期を決めるポイント
個人事業であれば、確定申告の対象期間は必ず1月1日~12月31日です。申告期限も一律翌年3月15日ですね。
それに対して、法人は決算期を自由に選べます。今日は、よくある失敗例を見ながら、決算月の決め方のポイントをお話したいと思います。
失敗例1)繁忙期を決算・申告月にしてしまった
法人の決算は、例えば3月決算の場合、4月1日~3月31日までの期間のもうけを計算し、2か月後の5月31日までに申告するというスケジュールになります。3月31日には事業内容によっては棚卸が必要ですし、それから決算用の資料をまとめ、税理士との打ち合わせや、納税をしなければなりません。したがって、3月~5月は決算のために結構時間をとられます。よって、この期間が繁忙期と重なってしまうと、申告事務が滞ってしまいます。決算月・申告月は繁忙期を避けましょう。
失敗例2)個人から法人成りしたので、そのまま12月決算にしてしまった。
よく考えずに1月1日~12月31日にする、というのもありがちなケースです。こちらはまず、12月の最後の営業日に棚卸をしなければならないので、大掃除をしながら棚卸をする羽目になります。また、新年の挨拶をしながら決算資料をまとめるスケジュールです。しかも、申告月は2月になるので、基本28日しかありません。また、医者のように月末まで保険収入が確定しない、というような場合、さらにスケジュールがタイトになります。2月末ギリギリで資料を渡すと、税理士事務所はもう確定申告時期なので、十分な打ち合わせができなかったりもします。特別な理由がない限り、12月決算は避けましょう。
失敗例3)最も売上の多い月を決算月にしてしまった。
1年のうち、最も売上が多い月を決算月にした場合、まず決算の予測がやりにくくなります。通常決算が近づくと、売上や利益の見込みを計算し、税金を試算したうえで、決算対策をどうするか、税理士と打ち合わせをします。その際、決算月の売上が多いと、それがいくらくらいか見積がしずらく、決算に与える影響も大きくなります。したがって、なるべく売上の変動の少ない、売上の少ない時期が決算月の方が、管理がしやすくなります。
また、納税は決算月の2か月後までですが、売上の入金が(手形等で)3か月後以降になってしまう場合は、更に注意が必要です。毎年入金がある前に、税金を支払う必要があり、納税資金を別途用意する必要があるからです。決算月は売上の少ない時期にしましょう。
おまけ)1月決算は要注意!
法人の決算月は自由に決められるものの、1月決算はなるべくやめたほうがいいでしょう。申告月が3月になるため、税理士事務所は確定申告が終わらないと、決算に着手できない可能性が高いです。確定申告が忙しいのはどの税理士事務所も共通なので、税理士からしっかりとしたサービスを受けたいのであれば、1月決算はなるべくやめたほうがいいと思います。
いかがでしたでしょうか。もしご自分の会社が上記に当てはまっていても、特に不都合がないという方はそのままでいいと思います。けれども、そういえば大変だな、と思われた方は、一度税理士に相談してみるといいでしょう。決算月は変更ができますので、変更をしてみたら、意外と楽になるかもしれませんよ。