「半沢直樹」というドラマをご存知ですか?
私は、半沢を含めて、池井戸潤さん原作のドラマがとても好きです。特に、「下町ロケット」が大好きで、真剣にモノづくりに励む佃製作所の面々を、心から応援したくなります。
ただ、池井戸ドラマを見ていてものすごく不思議なことがあります。それは、税理士が全く出てこないことです。ドラマの中では、中小企業の命運を握り、大変な時に相談に乗るのは常に銀行です。ですが、実際には、中小企業の経営者が最初に相談するのは、一番身近にいる税理士ではないでしょうか。
税理士の仕事は知られているようで、実は知られていないように思います。実際この仕事についてみて、とても不思議な仕事だと思います。定期的にお会いすることはもちろん、お客様のお財布の中身からご家族の問題まで、親しい間柄でもなかなか知り得ない情報を知っています。(もちろん、守秘義務がございますので、心の中にとどめております。)
社長さんには、ご家族や従業員さん他、大勢の味方がいることでしょう。けれども、やはり立場上、言いたくても言えないで抱え込んでしまう思いがあるのではないでしょうか。そんな時、恰好つけずに愚痴をこぼせる相手、それが税理士だと思っております。
私が高校生の時、家庭の経済事情で大学への進学を諦めなければならないかもしれない、という事態になりました。どうしても進学したかった私は、両親に、「必ず働いて返すから、家を売ってそのお金で大学に行かせてほしい」と頼みました。しかし、自宅が市街化調整区域で建て替えができないことを理由に、家は非常に安く買い叩かれてしましました。
築浅のしっかりした家だったので、納得はいかなかったのですが、知識のない私の家族は反論することもできませんでした。結局大学には進学できたものの、一人暮らしができないので片道2時間半かけて通学し、大学の奨学金をたくさん借りて卒業しました。
家を売却した時の業者は、後に不祥事を起こして新聞に載っていました。知らないから損をする、正直者が損をする、そんな世の中に強い憤りを感じます。私にできることなど、ちっぽけかもしれません。けれどもせめて、自分が担当する数十名のお客様の幸せだけでも、この手で守りたい。そんな気持ちで税理士の仕事をしています。
11年前、両親のためにマイホームを購入し、木更津に引っ越して来ました。当時はまだ横浜までアクアラインで通勤しておりましたが、4年前から、木更津で働いております。コロナが猛威をふるう昨今、経営者の皆様もなかなか気持ちを保つのが難しいと思います。そんな皆様が少しでも元気に事業を続けられるよう、近くから応援し続けたいと思います。
まずは、あなたが今どんな気持ちで何を頑張っていらっしゃるのか、あなたの話をお聞かせください。是非これから、一緒に歩んでいきましょう。(外部の人間の中で)あなたの、一番の味方でありたい。あなたにお会いできる日を、楽しみにしています。
令和3年8月16日