税理士事務所の特徴と選び方
これから税理士を探そう、もしくは税理士を変えたいと思っている方にとって、税理士事務所は敷居が高いと聞いたことがあります。今日は税理士事務所を選ぶにあたり、皆さんが疑問に思われることについて、お答えしていきたいと思います。
Q1)大きな事務所と小さな事務所、どちらを選んだらいいですか?
大きな事務所の良さは、スタッフが多いことですね。誰かが病気になったり退職したりしても、それをフォローできる体制を整えている事務所が多いと思います。逆に小さな事務所は代わりの人間がいないため、健康にも人一倍気を使いますし、責任感も強いと思います。
また、人には得意不得意分野があるため、大きな事務所は所属人数分の知識や経験を活かせるという強みがあります。その反面、税理士事務所の都合で担当替えをされてしまうこともありますので、注意が必要です。小さな事務所ではスタッフが少ない分、レベルの高い人が担当をするという良さがありますね。
Q2)税理士事務所と会計事務所の違いは何ですか?
これはずばり、同じです。よく、会計事務所には会計士がいると思っている方がいらっしゃいますが、答えはNOです。
公認会計士の仕事は、イメージ的には大企業の作った決算書が正しいかどうか監査(チェック)することですが、そういう仕事はあまり多くはありませんよね。たぶん木更津あたりにはないと思います。そこで公認会計士さんが、税理士として開業するケースが多いです。その場合は、「公認会計士・税理士事務所」というような名前がついていることが多いでしょう。
Q3)税理士法人と個人の税理士事務所の違いは何ですか?
これは法人と個人の違いです、といえばそれまでですが、一般の法人とは少し違います。
税理士は、社員税理士(役員のイメージ)が2人以上いないと、税理士法人を作れないからです。どんなに大きな税理士事務所でも、社員税理士が1人だったら個人事務所になります。今、税理士法人である事務所も、将来社員税理士が1人になってしまい、別の税理士が社員にならないときは、個人に戻ることになりますね。
ちなみに、個人の税理士事務所の正式名称は、「小林裕美税理士事務所」か、「税理士小林裕美事務所」の2択です。以前、「税理士さんはフルネームを使っているケースが多いけど、そんなに自己主張したいの?」とお客様に聞かれたことがありますが、これはもともとそういうルールだからですよ。
Q4)税務署出身の税理士は税務調査に強いのですか。
私は税務署出身ではないので直接は分かりませんが、税務署退官組の税理士には税務署職員も強く言えず(元上司ですからね)、融通をきかせてくれる、という話をされる税理士は多いです。しかし、税務調査は元々正しく申告されているかどうかを調べるのが目的です。きちんと申告をしていれば、何も問題はありません。「税務署には何かお土産をもたせなくちゃ」とか、「税務調査はゴミまでもっていく」と思っているお客様もいらっしゃいますが、今はそんな時代ではありません。税務署の方も、最後は「きちんと申告してくれてありがとうございます」と言って帰ってくれます。しっかり勉強している税理士なら、頼りになりますよ。
Q5)そうはいっても、正しく申告したら、税金が高くなるのではないですか?
税法や会計のルールは、すべての取引を規定することはできません。はっきりと決まっていないところは、解釈問題になります。白は白、黒は黒ですが、グレーをどうするかがポイントです。このグレー部分は、裁判で争われたりしますし、実際、控訴・上告で判決が覆ることもあります。当然、税務調査でも、調査官によって意見が分かれると思います。納税者や税理士としては、法律の解釈をしながら、しっかりとした証拠書類を残し、認めてもらう努力をすることで、税金は十分安くなりますよ。
Q6)どんな経歴の税理士を選べばいいですか?
一言で税理士といっても、税理士試験に合格した人、大学院を卒業した人、税務署を退官した人、公認会計士など他資格を取得した人、などルートは様々です。それぞれに強みはありますが、やはり日々勉強を欠かさない税理士を選んだ方がいいと思いますね。
また、税理士を選ぶ際、使っている会計ソフトも一つの指標になりますね。TKCのソフトを使っている先生の場合、必ず毎月訪問スタイルですし、税務も経営もしっかりとサポートしてくれる人が多いと思います。その代わり、顧問料もソフト料も高めです。逆に弥生会計やフリーウェイ経理を使っている先生は、関与の仕方に融通が利いて安めなイメージがありますね。
ちなみに私はTKC会計事務所の出身なので、考え方はTKCに近いですが、今は会計ソフトはfreeeを使っています。クラウドソフトで、入力のストレスがなく、常にお客様と会計事務所でデータを共有できます。特にタイミングを決めず、相談したいとき、必要なときに打ち合わせができる関与スタイルをとっていますよ。
Q7)税理士を選ぶ際、決め手になるのは何ですか。
今回独立してわかったことですが、意外と税理士のサービスに満足していない方が多いですね。モヤモヤしていても面と向かってはなかなか言えないんだな・・・と私も反省しました。どの事務所に頼むかももちろん大切ですが、同じ事務所に頼んでも、担当者によってサービス内容は結構違うもの。結局一番大切なのは、話しやすい、また会いたいなと思える人を選ぶことだと思いますよ。
小林裕美税理士事務所では、皆さんが相談しやすい、オープンな雰囲気を目指しています。事務所スペースも、広くて見晴らしのいい、居心地のいい空間を心がけております。来所された皆さんが、思ったことを気軽にお話ししてくれる、そんな場所でありたいですね。